KAY BOJESEN(カイ・ボイスン)1886-1958
カイ・ボイスンは、Georg Jensen (ジョージ・ジェンセン)で 修行を積んだ後、1910年に銀細工師として独立しました。
その後、1920年代に当時のホルムガード社社長のクリスチャン・クラウベルとともに、 選りすぐりのデンマークデザインを取り扱うセレクトショップ「Den Parmanente (デン・パーマネンテ)」を創設しました。ここでの活動を通して「機能主義」をデンマーク工芸に強く示し、一方で海外への輸出にも尽力するなどしました。
その後カイ・ボイスンの名が一躍知られるようになったのは、1938年にシルバー用にデザインされたカトラリーでした。
戦時状況下で銀の供給が困難だったことから、当時珍しかったステンレスを用いて制作、1951年のミラノ・トリエンナーレ展に出品したところ、3年連続で最優秀賞受賞という快挙を遂げたのです。
それにちなんで、「Grand Prix (グラン・プリ)」と名付けられたこのステンレスカトラリーは、デンマーク王室御用達にも認定されています。
彼の才能は金属だけにとどまらず、1930年代より制作を開始した木製オブジェの数々は、カイ・ボイスンのもう一つの顔となりました。
「動物のデザイン上の線(line)は微笑み(smile)にならなければならない」、
「木製の動物は本物の動物の真似であってはならない」などの信条のもと、
今やデザインアイコンとなったモンキー(1951年発表)をはじめ、さまざまな動物たちは、デンマークのみならず、世界中の人々に親しまれています。
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